斎藤美奈子『物は言いよう』(平凡社) 1680円 ISBN-4582832415
概要は12月2日に書いたとおり。ほぼ期待どおり。舌鋒鋭く、性差別的発言をめった切り。諧謔も冴える。この人の場合、基本的に愛があるから悪口雑言も許されるんだろうなぁ。
梅棹忠夫『知的生産の技術』(岩波書店) 777円 ISBN-4004150930
名著とは言わないんだろうけど、1969年の初版以来、30年ちょっとで70刷を数える超ロングセラー。アウトプットの質や量を問われる知的活動の生産性は、その人が採用する方法論によって大きく変わって来るものであり、学問や、広い意味での知的生産に大切なのは、方法論の研究である、と、そういうことを日本ではじめてストレートに言ったような本。
英語のアート(art)には技術という意味がある。というよりも、芸術とは究められた技術というニュアンスがある。日本で芸術といえば、術という字が入っているにもかかわらず、それはおもに魂の活動であって、頭脳や手先の活動とは考えられないフシがある。なんでもかんでも精神論に還元しようという旧弊は、あらゆる分野に見られるように思う。「意識」や「精神」と訳すべきmindという単語が、「心」や「マインド」と誤訳されがちなこととも、このへんはパラレルな話じゃないかと思う。
もっとも高度な精神の活動のひとつである学問という領域でも、かつてこの国には方法論や技術を語るのがはばかられた時代があったらしい。方法論や技術論といった小手先のテクニックの話は、教えるとか教えられるものでもなければ、まして公の場で話すようなことでもない、といった認識があったようだ。形而下的方法論の軽視ともいうべき風潮か。
いまでこそ論文の書き方、文章の書き方、図の書き方、人前での話し方、プレゼンの仕方といったハウツー本が書店の書棚に溢れかえっているものの、梅棹先生が、学問の中身だけではなく、学問のやり方を技術論として語り、受け継ぎ洗練させていくことも必要だといったのは、当時としては画期的なことだったんだろう。本書を嚆矢として、このあと、京大の川島先生によるKJ法が生まれ、その後、いろんなカード方式やアウトラインプロセッサ、アイデアプロセッサ的なものが作られた。
たぶんいまも昔もアカデミズムの世界は、産業界を見下しているようなところがある。ところが、知的生産の技法を個人の特殊技能ではなく、公共の財産として洗練させ、継承しているという点では、ビジネスの世界のほうがいつも先を行っているようだ。事務処理の近代化や機械化もそうだし、プロジェクトマネージメントのようなもの、それから議論様式、情報共有方法の洗練といったことは、ビジネスの世界でのほうがコストに直結したぶん切実に、恥も外聞も情け容赦もなく研究された。
梅棹先生の勧める方法論は、ひとことに集約できる。それは「すべの情報をカードに書き記せ」ということ。カードに書き記す情報単位は、複数のことなる情報が混じらないよう、またそれ単体で見て意味がわかるように完結したセンテンスで記すことといっている。
物理的な紙に書き付ける方法は、いまではありえないけど、方法論自体は古びてはいない。いまならデータベースか、テキストファイルでやるべきところだろうと思う。あるいは全文検索でもいいかもしれない。物理的な紙を使うよりも、はるかに利便性の高いカード活用ができそう。実際、パソコンの世界にも、そういう文化というか、一群のソフトウェアがあったように思うけど、どこに行ってしまったんだろう……。
読書の方法について、「読書二遍法」というのを勧めている。これは、まさにぼくがここ数年無意識に実践しているものとまったく同じで、ちょっとうれしくなった。読んだ本を、数日後、ときには数週間おいて、もう1度ひらく。開いたときには、自分が線を引いた箇所を中心にさらっと読み返す。梅棹先生は線を引くのには2Bの鉛筆がいいと言っていて、「2Bの鉛筆がないと、気がおちつかずに読書ができない」という困った事態になることもあるといっている。これについても、ぼくもほぼ同感。ペンがないと、なんとなく読み進むがイヤ。ページの端を折るだけでは、あとで見たときにどの箇所が重要なのかわからないし、キーワードに丸がついていないとパッと見たときの視認性が悪くて読み返す気力が萎える。ぼくはペンをあっちこっちに置きまくり、ポケットとかばんに常に2本ずつはペンを常備するることで、この問題に対処している。
読書にかんして、ちょっと安心するようなことを言っている。「ひじょうな速読・多読な人もあるようだが、年100冊というのは、ふつうの人間としては限度ではないだろうか」。なんと、あれほど多産な学者が、年にたった100冊! 世の中には年に数百冊どころか千冊ぐらい読む人もいるけど、確かにそういう人が読むのは、楽しみのために読む物語のようなものが中心だと思う。何か自分の考えの肥やしになるような、それなりに情報や理屈のつまった本を、忙しい現代人が、そんな化け物的なペースで読めるわけがない。むしろいま本当に必要なのは、読むべきでない本をいかに避けるかということだったりして。
日記について、ちょっとおもしろいことを言っている。「どういうわけか、日記には心のなかのことをかくものだという、とほうもない迷信がひろくゆきわたっているようにおもわれる。……(中略)日記文学というものがあることも否定はしないが、すべての日記が文学であるのではない」。日誌のようなもの、実務的な記録もあってよくて、日記一般を魂の記録だと考えるのは、まったくの間違いだと言っている。後から読み返して感傷に耽ることより、あのときはどうだったかと、事実を確かめるために見るようなのも重要な日記との付き合いかたで、それはあたかも自分自身のための、業務報告なのだという。で、先生が勧めるのは、こんな方法。「記述すべき内容、事件、経験をあらすじだけ書く。それから時間があれば、それについてくわしい記述を書く。時間がなくてあらすじだけしかかけなくても、それはそれで役に立つ」。
日記はブンガクじゃないんだという話と少し通じるところもある、こんな主張も大変に共感するところがある。いわく、「文学を、わたしは否定しているのではない。……近代日本語が、文章を書道から解放することに成功したのは、大進歩であった。文章は造形芸術から独立して、独自のものとなりはじめたのだ。わたしは、これをさらに一歩すすめて、文章を、文学から解放しなければいけないといってるのである」。いまではこういう主張に共感する以前に、そういう価値観を日々実践している人のほうが、とくにビジネスの世界には多いに違いない。名文家だなんてことや達筆だなんてことは、「書く人」に対して、かつてほど褒め言葉にならない。論理的で、誰にでもわかる、と、そんなことがまず文章の大前提という認識が、いまではあるように思う。
ひらがなタイプライターの話題にからんで、文字論や用字論でもおもしろいことを言っていて、なかでも文具について、どきっとするようなことを言っている。文具というより、リテラシーの問題についてというべきか。いわく、「わたしは、たとえばコンピューターのプログラムのかきかたなどが、個人としてのもっとも基礎的な技能となる日が、意外にはやくくるのではないかとかんがえている」。まだマイコンブームさえ来るまえの30年前、日本語ワープロの登場さえ予見できなかった時代の発言としては、すばらしい慧眼だと言えるんじゃなかろうか。21世紀になってもなお、プログラミングが読み書きと並んで必須になる時代が来るというと笑い出す人がいるぐらいだというのに。
引用ばかりになってしもうた。
$ cat ~/bin/re64
#!/bin/sh
if [ ! -d ./resize-tmp ] ; then
mkdir resize-tmp
fi
for i in $*; do
echo "resizing down to 640x480" $i "--> ./resize-tmp/"$i
convert -resize 640x480 $i ./resize-tmp/$i
done
![]() | 防鳥ネットと突っ張り棒。ネットは2m×6mのサイズで3290円。突っ張り棒は110〜190cm、1〜5kgまで対応できるもので、490円。 |
![]() | 6メートルってのは、けっこう長い。これでも2つ折りした状態。 |
![]() | ぐちゃっと置くと、かなりかさばる。重さはたぶん1kgもない感じ。 |
![]() | 目は1cm四方。球技用の防球ネットと違って、あまり耐久性はなさそう。 |
![]() | とりあえず1.8×2メートルほどのサイズにカットしたネットを廊下に張ってみた。背後にもうひとセットほしいけど、人が通るたびに外すのは面倒かも。 |
![]() | 廊下よりさらに密閉感が高い非常階段のコーナー。絶対に人が通らないし、深夜でも誰の迷惑にもならなさそう。問題は火事が起こって逃げ惑う住民が「ネットにかかり逃げ遅れ」と新聞沙汰になりかねないこと……、なわけないか。 |
![]() | ToToが売り出しているユニット式のタイル。30センチ四方で結構硬い素材でできている。 |
![]() | タイルの側面にはゴム状の接続部があって、どんどんはめ込めば拡張できる。 |
![]() | 完成形はこんな感じらしい。2枚ぐらい買えば十分かな? 1枚920円らしい。 |
![]() | 婚約しました。いや、婚約って何? 結納だとかがない今どきは、周囲に結婚の意志を知らせたら、それで婚約だそうな。というわけで、婚約です。 |
![]() | きらきらと。 |
![]() | ハンマーには「相手を傷つけない」と書いてある。意味はわかるけど……。 |
![]() | さっそく本を入れてみた。すでにやや溢れ気味。 |
![]() | ジャグリング専門雑誌「Juggle」。世の中どんなジャンルでも雑誌ってあるもんです。 |
![]() | どうも気になるマンション。反り返り具合がロッククライマーならタマらんのかもしれんけど、何かが降り落ちて来そうに思える。 |
![]() | 麻布から広尾へ抜ける仙台坂の途中で見掛けた「国際家畜病院」。建物もきてるけど、看板の犬の絵がかなりヤバい。 |
![]() | 有栖川公園内の池で釣りをする人々。しかし、有栖川公園って子どもと犬が多いなぁ。あと、外国人。 |