the other side of my days
ご意見,ご感想,ごいちゃもんなどございましたら
NISHIMURA Ken <nis@bigfoot.com>まで。


2002/02/18(Mon) 6万個のエラー
2002/02/19(Tue) 4カ月の長旅
2002/02/21(Thu) 仕事の勢い
2002/02/22(Fri) 呆然と立ちつくす
2002/02/24(Sun) お抹茶をいただきながら
2002/02/25(Mon) 胡散臭いけど「速読法」
2002/02/28(Thu) チャットが伝えるモノ,伝えないモノ


2002/02/18(Mon)

6万個のエラー

壊れてたパソコンが直った。原因はメモリ不良。以下,パソコンおたくな話です。
6万個のメモリチェックエラー
HDDの中身はあきらめてゼロからOSをインストールすることに。すっきりゼロからやり直すから問題ないだろうと思ったのに,なぜかインストールが途中でコケる。あきらめてゼロからやり直しますと誓っているのに,神様に何度も地獄へ追い返されたような気分。マシン不調の原因が分からない。スクラッチからクリーンなマシン,クリーンなHDDに入れようとしてだめなのだから,何か決定的にだめな原因があるはず。だけど「このマシンはぐずってる」としか思えない。
インストールが途中でコケる理由がわからなくて,何度か設定を変えながらインストールを試しても,ほぼ同じところでコケる。どうも使い古いしたCD-ROMドライブが怪しい。音楽CDのリッピング中にOSが数秒固まることがあるから,きっとCD-ROMがイケナイんだろうとあたりをつける。
で,手元に転がっていたDVD-ROMドライブに差し替えてみる。まったく同じところでコケる。ドライブの問題じゃない。同じところでコケるのでインストールCDに傷でも付いてるのかと,今度はメディアをうたがう。で,試しにLinuxの代わりにWindowsのインストールCDを入れてみると,やっぱり途中でコケる。ファイルのエラー。明らかにどこかでデータ化けを起こしている。メディアじゃない,ドライブでもない。じゃあ,コントローラかケーブルか。そんなわけがない。
なんか変。非常に変。もしかして「600MHzということだったけど,550MHzくらいでしか動かないよ」ということで会社の同僚にもらってきた,きわめてアヤシイ評価用サンプル品,PentxxxIII-550〜600MHzがついにヘタったのかと思って,今度はCeleron-300MHzに戻してみる。やっぱりエラー。ちょっとエラーの出る場所が変わったけど,インストール中に再現性のあるエラーが起こる。
関係なさそうだけど,FDドライブを破壊してしまって,マシンから外したのがまずかったのかと考える。とりあえずドライブをつないでBIOSでドライブを認識させてみる。ふたは壊れてるけど,運がよければドライブ部分は壊れないし,少なくともコントローラ部分は壊れているはずがない。問題なく認識してブート。でもやっぱりエラーでインストール中にコケる。
と,リブートしたら突然画面が見えなくなった。5年ぐらい前に買ったグラフィックカード,Mystique(Milleniumの安いヤツ)が死んだかと思う。でも,電気的,物理的な原因もなしに突如ビデオカードが壊れたなんて話は聞いたことがないし,そんなのはインストール過程のエラーと関係あるわけがない。
もう怪しいヤツはメモリしかない。メモリチェックプログラムをダウンロードしてみる。ブータブルFDを作ってブート。Loading...とピリオドが3つ表示されたところで奇妙なエラーがバカバカ吐き出されてFD起動できず。
もう,エラーだらけ。うまくいかないことだらけで,なんだかわからんぞと嫌気がさしてくる。何が起こってるのかよくわからん。パソコン嫌いだよ。
落ち着きを取り戻してFDがブートできない理由を考える。CPUが「動くそぶりを見せつつ微妙に」壊れるなんてことはない。BIOSが突然バギーになることもない。とすると,FDブートが同じ場所でコケる理由は,FDドライブが壊れてるかFDの作成に失敗してるかしかない。で,FDドライブが先頭のセクタだけ読み込めて,途中からエラーをはくのもいかにも不自然。だからメディアが悪いとしか思えない。NICについてきたドライバFDを流用したので,比較的まもとなFDだと思って疑わなかったけど,論理的に考えると,FDメディアのトラブル以外にFDブートができない理由はない。
FDを変えてみる。ここ数年,必要なときにFDが手元にないという状態が続いていて,実は壊れてないFDは貴重だったりする。無事,メモリチェックプログラムはブート。ああ世の無常よ。
メモリチェックプログラムが動き始めた。いろんなパターンをメモリに書き込んだり,読んだり,ベリファイしたり……,というプロセスが始まった。と思った瞬間に,ずらずらずらっとエラーが検知された。すごい数。あまりの勢いでエラーが検知されて,エラーメッセージがめまぐるしく画面を流れるので,叫びそうになる。ビンゴ! いや,うれしくないんだけど,うれしい。
見事に128MB,148MB,151MBと,2枚さしてるSDRAMの2枚目先頭アドレスのほうの何カ所かで,各セルの下から3ビット目に反応しないところがあるのがわかった。隣のマシン,Athlon XP+のWindowsマシンのほうでも同時にメモリチェックプログラムを走らせてみたけど,エラーは当たり前のようにゼロ。
これでマシン不調の原因がはっきりしたぞと,光明が見えた気がした。脱力。要は1200円で買ったCL2の128MB SDRAM(今はメモリ価格が高騰してるので3000円くらい?)がタコだったってこと。見る見るまにエラーの数は数万単位に膨れ上がった。こんな状態で,OSが動くわけがない。というか,よくもまあ動いてたもんだ。数KBにわたる断続的なメモリ領域で,完全に死んでいるビットがある。
まあ,これでともかく問題解決。と思ったけど,まだトラブルは終わらない。1時間に及ぶ厳しいメモリチェックをパスしたはずの残り1枚の128MBのメモリだけでOSをインストールしようとすると,またしてもエラー。ほとんどインストール終了に近いところまで行くものの,妙なところで「fatal error」。どっかでスクリプトがコケてる。もうイヤッ。わけがわかりません。
作戦変更。インストールは途中だったけど,とりあえずLinuxが起動したので,そのシステムを使って,推定クラッシュしていたHDDのファイルシステムの修復を試みることに。「xfs_check」「xfs_repair」。これが意外にさっくり終了。
動いた。戻った。物理的にクラッシュしたかもしれないと思っていたHDDはクラッシュじゃなくて,単に調子の悪いメモリのためにファイルシステムが論理的に破壊されていただけだったらしい。まったく何事もなかったかのように,動かなくなった日のままの姿のデスクトップが戻ってきた。XFSなんていう,とんがったマイナーなファイルシステムを使っていなかったら,もっとさっくり復旧できてたのに。RedHatが最新バージョンでext2fs互換のext3fsを採用した理由も何となくわかる気がする。ファイルシステムって凡庸な,枯れたものを使ってないとトラブルのときに面倒なんだよな。NTFSなんかも初期にはイヤだったもの。
それにしても疲れた。

2002/02/19(Tue)

4カ月の長旅

4カ月かかって届いた箱
出社すると「なんか荷物が届いてますよ」と言われた。去年の10月頭にサンフランシスコから日本に向けて船便で送った段ボール箱が,やっと届いた。やっと。もうかなりあきらめモードだったので,びっくり。
自分の住所を書き間違えたので届かなかったのも仕方ない。suginami-ku hounanなのに,肝心の「hounan」を書き忘れたことに,送ってから気づいた。でも,「送り先に問題がある場合は,ここへ転送しろ」と予備の送り先住所を書いておいたので,いくらなんでも4カ月はないだろうと思っていたんだけど。その予備の住所は会社の住所で,ぼくの隣に座っている後輩宛てだった。会社の住所は間違えた記憶がない。だもんで,さすがに4カ月して届かないということは,宛先不明で品川の埠頭倉庫の奥深くあたりで眠っていて,あと数カ月で破棄される運命にあるんだろうと思っていた。まあ破棄されてもいいかとも思ってたけど。

4カ月ぶりに対面する荷物たち。20kgの箱があまりに重くてたまたま通りかかったタイ人の友達に,ポストオフィスまで運ぶのを手伝ってもらったんだった,と,ちょっと懐かしくなる。
どきどきしながらふたを開ける。なにが入ってるのか,ちょっとしたタイムカプセル状態。でも中身は内緒。って,まあ大したものじゃない。本と衣類がほとんど。テキストや辞書類もたくさんでてきた。

2002/02/21(Thu)

仕事の勢い

ネットでちょっとパソコン業界近代史の調べモノ。昔の雑誌を調べた方がてっとり早いことに気づいて,フロア奥の書棚へ。10年分くらいのバックナンバーが眠る書棚。自分が調べたいニュースが掲載されているのが,いったい何年の何月号か正確にわからないので,とりあえず3,4年前の雑誌を当たる。適当に数冊,書棚から引っこ抜いてぱらぱら眺めはじめた。懐かしい記事と,できごと。当然のように,自分が企画したり,編集担当した記事,あるいは執筆した記事がたくさん目に飛び込んだ。つい懐かしくなって,次々と読みふける。
文章の書き方とか誌面の作り方とか,我ながら荒削りだなぁと思ったりする。苦笑い。その一方で,今の自分にはない「勢い」みたいなものを感じて愕然とする。毎月毎月会社を辞めることばかり考えてたような,体力的にも精神的にも追いつめられがちなころ。そういう時期だけど,記事自体はとても手間暇がかかっていて,それなりに読み応えがある(自画自賛やんか)。技術的なつっこみの深さや,下調べのねちっこさ,裁くテキストの分量と,どれをとっても,今のぼくは,昔のぼくに勝てない気がする。あのパワーと熱意はなんだったんだろう。
バックナンバーを読みふけっていたら,隣の編集部のYさん(同年代)が通りかかった。思わず,「いや,なんか昔のほうが仕事してる気がして……」と話しかけたら,「うん,そうそう。オレも良くそう思うんだよ」という答えが返ってきた。そういえば,Yさんといえば,無精ひげと椅子寝り,死にそうな顔で1週間ぐらい会社で徹夜を続ける日々を送ることでフロアで知らない人はいなかったけど,気づけば彼は,あんまりそういうことをしない生活になっている。同じくぼくも,会社の床や椅子で寝ることはほとんどなくなった。
要領は良くなったけど,最近,何か決定的なモノが欠けている気がする。

2002/02/22(Fri)

呆然と立ちつくす

前触れもなく……
前触れもなく,フロアの自販機からコーンポタージュスープが消えた。ちいちゃい黄色い缶に入っていて,結構あっちっち状態の濃いぃヤツ。気に入って毎日のように買っていたのは,ぼくだけだったのだろうか。そんなに人気がなかったのだろうか。最後の数滴になったとき,缶の底や内壁にへばりついたコーンをむさぼり食うべく,ガフッ,ガフッと首を前後にかっくんかっくんやってたのは,編集部でぼくだけだったのだろうか。そんな気もする。自分以外でアレを飲んでる人はあまり見かけた気がしない。ゴミ箱にも,あまり捨てられていないし,空き缶も見かけなかった。
世の中には自分1人の力ではどうにもできないことがある。いや,自分の意志や意図で何とかなることなんて,あるんだろうか。ああ,無常なり。

『世界がもし100人の村だったら』は,まあ良く書けた本というか,おもしろいと思う。そのブレークにあやかろうとするのは別にいいと思う。SPA!が組んだ「30歳のぼくらが100人だったとしたら」みたいな特集はおもしろかった。でも,『日本村100人の仲間たち―統計データで読み解く日本のホントの姿』というパクリ本。これ,立ち読みしてて激しくイライラしました。まさかこんな本が売れたりしないよね。ね。ね,まさか売れてるの? 世界は広くて多様。それを「村」に,たとえることに,オリジナル本の真骨頂があるのに,「日本村」というたとえには,とっても狭量で偏屈な認識がつきまとう。「狭い日本」というけど日本はちっとも狭かないし,人口もめちゃくちゃ多い。当たり前の言い古されたことを,「ほら,こんなに日本は狭くて自分たちの視野は狭いんだよ」と言ってる,その著者たちの,なんと見識のないことよ。同じく統計データから日本人の姿を描き出そうとした本で,最近読んだ『数字で読む日本人2002』(溝江昌吾,自由国民社)が,刺激に富んでいておもしろかった反動で,なおさら「日本村」のくだらなさにあきれてしまった。
立ち読み。『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』(橋本治)。読みたい。本というのは,買おうかどうしようか迷うぐらいなら,買ってしまった方が後悔が少ないというけど,読める量を遙かに超えて買い込みがちなぼくは,やっぱりためらってしまう。
立ち読み。雑誌『編集会議』。100人の編集長が選ぶ,私のお薦めの1冊,とかなんとかいう特集。うーん,そうか,世の中の編集長というのは,こういう人たちなんだなぁと。編集長の1人として元上司の奥さんが出ててちょっとびつくり。あ,WAのFさん。多田富雄の本をあげてるけど,なんか無理してる感じが透けて見えて悲しい。

2002/02/24(Sun)

お抹茶をいただきながら

抹茶なんて何年ぶり?
新宿でライターK氏と打ち合わせ。なんで日曜日……。なんで月末……。あああ。
談話室滝沢。「ご注文おきまりですか」と聞かれたとき,心の中にあった映像は日本茶だったけど,何となく口から「抹茶ください」と出てきた。抹茶なんて10年ぶりくらいかも。抹茶とチーズケーキという組み合わせは間違いなく生まれて初めて。というか,そんな「セット」がある喫茶店って,東京にも,そうそうないんじゃないか。
夕方,編集部でライターN氏と打ち合わせ。あれこれルータをいじくり倒しつつ。

2002/02/25(Mon)

胡散臭いけど「速読法」

栗田昌裕『能力を20倍にする速読法』(KKロングセラーズ)という本を何となく読んでしまった。「心の場を鍛える」「意識の飛躍的な改革」「共鳴呼吸法」「読書が進化すれば心が進化する」などなど,非常に胡散くさい言葉が並ぶ。うたい文句や用語の使い方からすると,これ以上典型的なオカルト自己啓発本もないという感じ。
でも,このSRS(Super Reading System)を信じる気になりそうな予感。表面的な言葉遣いは若干嘘臭くても,言ってることがすごくまともで,「それはあり得るかも」と思う。方法論として非常に興味深い。4月から講座が開講するというから,それに行ってみようかなんて思ってみたりして。
もし書いてある体験談や,書かれている統計データが本当なら,これはすごい。というような話を友人にしたら,「なんかヤバイよ……。どんな宗教団体に入るのもおまえの勝手だけど,オレを勧誘するのやめてくれよ」とゆわれた。ふむー,そりゃまっとうな反応だな。
速く読みたいというのは,ずっと思っていて。
ふつうに読んでるとき,ぼくの読書速度は1000〜1500字/分。斜め読みでもせいぜい5000字/分くらいだけど,そのSRSの初級は,1万字/分が初級。つまり1ページ読むのに3秒という速度。上級レベルになると,その10倍の10万字/分という速度。実に1分で200ページ。つまり1冊の本を1分ちょっとで読める計算になる。

2002/02/28(Thu)

チャットが伝えるモノ,伝えないモノ

朝起きて,しばらくぶりに起動したWindows Messenger。後輩の子がログオンしてて「あ,ども」と送ったら,即座に「こんにちは」と返ってきた。ふたこと,みこと。と,先方はなぜかアルファベットで書き送ってきた。「suimasen, nihongo ga utenai kamo. miete masuka?」。
「え,ちゃんと見えてるけど?」「iya, ima mac de」。あれ,Macなんて使ってたっけなと思いながらも「いろいろ面倒くさいよね」と適当なことを書き送る。「mattaku」,と彼女。この「mattaku」はたった8文字の情報だけど,その字面が伝えるよりも,はるかに豊かな情報を伝えている。「まったく……」「まったくですね」というのが彼女の口癖だから,その文字列はぼくの中にありありとイメージを喚起する。「mattaku」というときの彼女の視線の動きや,微妙なため息具合,声の出し方のテンポなんかは,この8文字で完璧にぼくの頭のなかに再現されるわけです。
「Macかぁ。UPnPのテストを手伝ってもらおうと思ったのに」とぼく。Windows MessengerでUPnPを使ったルータ越えのテストをしていることは彼女も知っているはずなのに,「えっとWindowsで入り直しましたけど,UPnPって何ですか?」という。
なんだよー,ちゃんと打ち合わせでUPnPのコラムを書くって言ったのに聞いてなかったかよーっ。何のことか,わかってなかったのかよーっと,ちょっと脱力。で,テストはややあきらめ気分で,もう1つ気になることを聞いてみた。
「それはそうと,Kさんはどうかな?」。ここに書くとまずいのかもしれないけど,彼女はKさんと半分くらいは共同生活状態なので,よく2人が一緒にいることを,ぼくは知っている。そのKさんの原稿は順調に遅れている。だから,もしその場にいたらニシムラがやきもきして原稿を待ってるノダYO,メールの返信をたちつつ電話はシカトというのはやめてほしいデスYO,と伝えてくれるように言うつもりだった。
「は? Kってなんのこと?」。おうおう,2人でとぼけるのか。そうかそうか。そういうつもりか。むつまじいことですな。締め切りから逃げるか。逃げ切りを幇助するのかっ。
と,思った瞬間に気づいた。これは「人違い」。もしやと思って,Messengerのリストを開くと,その後輩の名前はあかーくなってて「オフ」の状態。……△※☆!?
わーっ。「Kumiko」だと思ってて話してた相手は,よく見たら「Kumi」やんか。だ,だ,誰やねん。「わーっ。ごめんなさい。会社の後輩だと思って話してました」「あはは,やっぱりなんか変だと思いました」「で,えーっと。Kumiさんは,映画のKumiさんですよね」「さあ,,,(笑)。あ,電話だ。失礼しますね」。
結局誰だったんだろう。だいぶ前に長話をした人のような気がする。どこかボイスチャットができるチャットルームで,ずいぶん長い時間,話をした人という気がする。英語で話した人という気がするけど,よくわからない。
間違いチャットって怖い。そんなことを思いつつ,UPnPテストの餌食となりそうな兄貴がログオンしてるのを見つけて,すぐにメッセージをとばした。
「仕事?」「ん,いま掃除してた」「いま大丈夫?」「いまちょうどキーボードふいてたとこ☆」。なんで顔マークを使うんや,と思いつつも会話を続行。「天気,悪いね」「え,そう?」「ケンケン寝てた?」。
え,ケンケンっ? どっからそんな呼び方が出てきてん? 一部の知り合いをのぞいて,10年ぐらい,そう呼ばれてない気がするし,兄貴がそんなふうにぼくのことを呼ぶわけがない。で,すぐにぼくは気づいた。顔マークを使ってるのは,ひーちゃんだ。兄貴の奥さん,つまりぼくの義理の姉。2人はメールもMessengerも同じID。だからややこしいから,使い分けろってずっと言ってるのに。
しかし,「ケンケン」というのは謎。ひーちゃんにしてみても,ぼくのことを「けんちゃん」と以外に呼ぶわけがない。人というのは,あるとき突然呼び方を変えることはあるだろうけど,それにしてもいかにも唐突だし,なんか変。
「あぁ,なんだ,ひーちゃん? 剛くんかと思った」と書き送ったら,先方は「あーっ,あああーっ。わたしずーっと妹と話してるつもりでいたぁ☆」という。妹の赤ちゃんが「けん」という名前で,だからその妹は「kenken」というハンドルネームを使ってるという。で,ぼくの「ken」と混同したらしい。
このシチュエーション。2人が2人とも,2人同時に人違いをしつつチャットしているというシチュエーション。けっこうすごいことだと思う。声が聞こえないというのはそういうこと。
ただ,ICQを使っていたときにはこんなことはなかった。ICQは必ず誰も使っていないIDを取る必要があって,みんなそれなりにユニークなニックネームをひねりだしていたけど,Windows Messengerって,メールアドレスさえユニークなら(ユニーク=重複していないという意味で使われるコンピュータ用語),ニックネームは自由につけられるから,自然と「ken」とか「kumi」みたいな人が何千人単位でいるということになる。
これって名前空間の運用範囲の問題じゃないかしら。日常生活では声や顔があるから,それほど間違えようがないけど,突然「佐々木です」「佐藤です」と文字だけで言われても,思い当たる人が2,3人いるということは十分ありえる。「恵子です」と言われても困るし,まして「keiko」と音の表記だけになってしまったら,それこそ,ぼくには思い当たる人が一体何人……。いや,そんなこたぁないですが。

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