the other side of my days
ご意見,ご感想,ごいちゃもんなどございましたら
NISHIMURA Ken <nis@bigfoot.com>まで。


2000/12/01(Fri) 年末へ向けて
2000/12/02(Sat) BONENKAI
2000/12/03(Sun) プラグマン
2000/12/04(Mon) アメリカ人はサイエンス好きか
2000/12/05(Tue) 挫折は何度目?
2000/12/06(Wed) 死刑,動物実験,クローニング
2000/12/07(Thu) 欧米でTOEICの認知度が低いわけ
2000/12/08(Fri) 人生はアドベンチャー
2000/12/09(Sat) 日記,スローダウンします


2000/12/01(Fri)

年末へ向けて

12月に入った。時差があるので,もちろん日本よりずっと遅れて。来たころと,あまり気候は変わってなく,若干肌寒い日が増えたかなという程度。
そろそろ,年末に向けて語学学校の生徒たちは母国に帰って行こうかというシーズン。年末は語学学校が一番さびしくなる季節。年始になると生徒が少し増えて,夏のバケーションのシーズンが最盛期らしい。
キッカリ決まったタームやクラスがあるわけではないので,それぞれの生徒のスケジュールはバラバラ。だいたい期間は短いし,それほど仲良くなるわけではないけど,一緒のクラスだった人がいなくなるというのはやっぱり寂しいもの。

2000/12/02(Sat)

BONENKAI

バイリンガルのスピーチクラブ,JETSの忘年会に参加。ダウンタウンから少し海寄りに歩いたところにあるコンドミニアムの1室を借りて,食事なんかをみんなで持ち寄るというスタイル。30人ぐらいいる参加者の半分くらいはJETSのメンバーではなく,ベイエリア近辺の純Toastmasterのクラブの人。こちらの国ではToastmasterクラブは非常にポピュラーで,サンフランシスコだけでも200ぐらいあるらしい。
Toastmasterって,要は決められた時間で,人前でいかにうまく話すかを競うというかみんなで訓練するわけだけど,話を聞いてみると「慣れ」というのは本当に大きいらしい。最初は緊張するけど,段々慣れるって。
面白そうだし,確かになにかと役に立ちそうだし,かなりやってみる気になってるのだけど,問題は語学力……。日本語でやったとしても緊張するようなスピーチを,英語でやるなんて,できるのか。
とあるJETSのメンバーに,たまたまプールで出会ってミーティングに誘われたという偶然。偶然に,というのは英語で言えばby chance。そうなのだ,チャンスなのだ。やっぱりやってみるしか。英語,うまくなりたいなぁ。

とうとうホームステイは1人ぼっちに。フランス人のグレッグはパリに帰ったし,ケンタロウは別のホームステイ先へと旅立った。来るはずだったフランス人と韓国人は来ない……。
しかしまあ,あれこれ一緒に行動したりして分かったけど,一緒に生活するなら価値観というか,行動基準というか,そういうものが大きく違わないって大事なことだね。他人と暮すのは大変だって思った1ヵ月だったかも。
グレッグは本当にプライドが高くて,たった1人のフランス人のせいで,ぼくはフランス人が嫌いになってしまった。フランス人よ,あなたは何様なのですかって。彼には文化相対主義という言葉を教えてあげたいと思った。『悲しき熱帯』を書いた文化人類学者,レビ・ストロースはフランス人じゃなかったっけ? 構造主義ってフランスの学問じゃなかったのか? 文化に優劣なんかないのだ。言語にも優劣などないのだ。

2000/12/03(Sun)

プラグマン

図書館で1週間分の復習。Fluencyのクラスに上がってから,読まされる量が増えたし,語彙のレベルも高くて大変。知らなかった単語をノートに書き出すだけでも,たっぷり2時間もかかってしまった。目指せボキャブラリ2万語レベル! いや,2万語って,かなり大きく出てみました。ふつう1万語もあればまず十分らしいです。ちなみに母語だと,ふつう5〜6万語ぐらいは頭の中にあるという話です。
でもホントは単語を覚えるより,言い回しを練習するほうが先なんだろうなぁ。
以前2度ほど会ったことのあるJoeさんに,またしても図書館で遭遇。閉館後,スターバックスでコーヒーをごちそうになる。これから英語学校の教師になろうというのだから,もしかしたらそういう興味かもしれないけど,ぼくと話すのが何が楽しいのか,実はよく分からない。やっぱり彼はゲイなのか。ぼくを欲望の対象として見ていたりするのだろうか。うむー……(若干の想像)……,マイガッ。単に話し好きなのか,日本シンパなのかもしれないけど。

グレッグとケンタロウがいなくなって,食事の時間は家族のほかはぼくの1人だけ。そんなこともあって,久しぶりにホストのおばさんと良く話す。最後のほう,ケンタロウはおばさんと話すのを嫌がっていたし,ぼくも否定的な気分になってたけど,改めていろいろ話してみたら,やっぱり悪い人じゃないし,愛想もいい。今日の食事にはなぜか野菜も果物もあって,かなりイイ感じだし,急に居心地が良くなった気がした。「これ以上悪い条件は考えられん」と出て行ったケンタロウは,やたらめったら悪態をついていたけど,そう悪いとこばかりじゃない。なんせめちゃくちゃ安いし,ダウンタウンに近いし。
ビデオとLDプレーヤーの接続方法がわからないというので,テレビの裏にまわって接続してあげたらおおいに喜ばれて,「プラグマン」と呼ばれてしまった。アメリカのテレビってNTSC方式だから赤黄白のプラグは日本とまったく同じなのね。

2000/12/04(Mon)

アメリカ人はサイエンス好きか

『日経サイエンス』はアメリカの科学雑誌,『Scientific American』の日本語版。学者が研究費集めのためとか売名のために投稿することが多いというから,やや商業主義っぽい匂いがするものの,門外漢が読むにはちょうどいいくらいの歯ごたえで,面白い。
この雑誌,アメリカと日本で発行部数が10倍違うという話がある。アメリカの人口は日本の約2倍だから,単位人口あたりの売れ方の差は約5倍。アメリカのほうが5倍も売れている。
この5倍の差は歴史の差なのか営業努力の差なのか。それとも競合誌の数の違いなのか。あるいは一般人におけるサイエンス・マインドの差なのか。この数字をもって,「アメリカでは科学はもっと気軽に人々に親しまれてる」というようなことをほのめかしている人がいたけれど,あれは全然当たってない。
この数字の違いは価格の違い。1冊1400円もする高価な雑誌と,安っぽい紙で1冊500円というのチープな雑誌を比べるのが間違いなのだ。アメリカ人がとくにサイエンス好きとは思えない。本屋に行って思ったけど,「トンでも本」の数は日本よりむしろ多い印象さえある。

日本語のものと変わらない速度で英語の本や雑誌を買ったら,とても消化速度が追い付かないので押えてるつもりなのだけど,ついつい雑誌にはあれこれ手が伸びてしまう。アメリカって雑誌の種類は多いし概して安い。

2000/12/05(Tue)

挫折は何度目?

新しくスウェーデンからリサという女の子がやってきた。これでクラスに3人のスウェーデン娘がいることに。リサは薄青い目がクリクリしててまだ幼さの残る丸顔。背は高くなくて,ぽっちゃり。
19歳くらいか。簡単に自己紹介するように言われてしゃべりはじめたら,これがまた,やっぱりめちゃくちゃ英語がうまい。うまいというより,ほとんど文句のつけようのないアメリカ英語じゃないの。発音もスピードもボキャブラリも「アメリカで5年ほど仕事をしてました」と言われても信じてしまいそうなレベル。それが高校を卒業したばかりのスウェーデン人の平均レベル(たぶん)というのだからまいってしまう。なんかホントに自信をなくしてしまう……。リサに対して自己紹介するように言われて,ぼそぼそと口ごもりつつ簡単に済ませてしまうぼくなのだった。
スウェーデンから来ている生徒の英語のうまさはホントに驚異的で,「君の英語,なんか強いアクセントがあるけど,どこの州出身なの?」とアメリカ人に聞かれるというのも無理はない。2つ目の質問で,どこの国から来たか聞かれるぼくなんかとはまるっきりレベルが違う。あ,ちなみに1つ目の質問はふつうの質問です。西海岸のアメリカ人は誰でも,話しかける相手がアジア系だろうがヒスパニック系だろうが,まずアメリカ人であるものとして相手がアメリカ英語を話せることに疑いを持たないので,ぼくが街で何か話しかけられたり聞かれたりすることがあっても,彼らは決して外国人に話かけるようには話して来ない。ぼくだって,できる限りアメリカ英語で返そうとするけど,ほんのちょっと言葉を交わすだけで,すぐに非アメリカ英語スピーカーであることはバレてしまうし,下手すると,意味不明のことを口走ってしまって,顔をしかめられることもある。「ん……? こいつの英語は何か変だ。意味がわからないのはオレのせいじゃなくて,こいつの英語が壊れてるからだ」というのが顔に書いてあるのを何度見たことか。はぁ。
語学学校の先生たちも,やっぱりスウェーデン人の英語の流暢さを,いつも不思議に思ってるらしく,今日はスウェーデンの英語教育事情の話しをあれこれ。彼らは10歳ごろから英語の勉強を始めるそうで,だいたい週に5時間ぐらいは英語の勉強に時間を割くのだそうな。日本よりやや早いけど,時間的には大差ない。でも,スウェーデンの学校の先生たちは,やっぱり英語がとてもうまいらしく,授業では会話もかなり練習するらしい。「どこの州出身ですか?」と聞かれるレベルの日本人の英語の先生って,はたして全体の何%ぐらいだろうか……。
日本人の英語,とくに英会話のレベルって,まず日本人の英語の先生のレベルが底上げされないことにはどうにもならないのだろうなぁ。とすると,これはずいぶん時間のかかる話だ。大学受験にぼちぼちリスニングが採り入れられると言うけど,かつての読み書き偏重の外国語教育の弊害は,1世代くらいは残るのだろう。と,自分の英語のできなさを教育のせいにしてみたりする。
でも,読み書き偏重っていうけど,読み書きに関しても,ぼくはスウェーデン人の足もとにも及ばないというのが正直な感想。決められた時間にボリュームのある読み書きをするとなると,比較にならないほど彼らは読むのも書くのも速い。唯一,ボキャブラリくらいは少しは競えるかしらと思える程度。
「辞書があれば読める」「読み書きならなんとか」「何となく言ってることがわかる」「ニュースや映画の内容が大体わかる」「少し話せる」「ほぼ問題なく話せる」「アメリカ人に間違えられる」というのは,この順番でむずかしいのだろう。
誰だって6年以上も勉強しておいて英語が話せないのは自分の頭が悪いからじゃないと思いたいわけで,「日本の英語教育は読み書き重視でおかしい」と言うわけだけど,日本の英語教育が読み書きばかりということの大きな理由の1つは,ほとんどの人がそれより先にたどり着けないということにも原因があって,学校英語が会話を教えてくれないからじゃないのじゃないかと思ったりもする。そうでなければ,あれほど日本で英会話学校が栄えてるはずがないし,もっとも栄えてる英会話学校のテレビCMに,めちゃくちゃ英語のヘタクソな生徒ばかりが出てくるはずがない。外国語産業ってのは,「いつかは外国語で現地の人とジョークの1つでも」という人々の淡い期待と,それに続く挫折をベースになりたっているわけで。
本当に英会話学校にチロッと行ったぐらいで会話がスラスラできるようになるものなら,CMに出て来る生徒がもうちょっとマシな英語を話しても良さそうなものだし,みんながスラスラ話せるようになって外国語産業から卒業してしまうものなら,あんなにばんばん広告費が使えるはずがない。外国語産業の市場規模って,広く捉えれば2兆円くらいあるんじゃないのかしら?

クラスのスウェーデン人比率が高まって,気分が落ち込み気味。彼らがモリモリしゃべればしゃべるほど,こっちはどんどん情けない気分になっていく。かなりの挫折感。

2000/12/06(Wed)

死刑,動物実験,クローニング

会話のクラスの話題は,死刑,動物実験,クローニング。北欧3人娘(今勝手に名付けました)は,申し合わせでもしたかのように,いずれについてもかなり強い調子でNoと言いました。ちょっと驚いたのは,動物実験について「癌とかエイズのような治療困難な病気ならしかたないけど,化粧品に関しては,動物使うのってダメと思う」と言ってたこと。そうなの? ぼくが無知なの? 化粧品って,そんなに動物使ってるの?
動物といってもいろいろ。マウスならいいのか,マウスがダメでも,魚ならいいのか,とか。どうやったってグレーゾーンは残るし,線引きなんてできない。
ホニュウ類はダメかなぁ,ぼくはサルが苦しむのは見たくないと言ったら,心優しいヘレナは「私にとって動物は動物」と言う。昨日一緒に食事するまで彼女がベジタリアンだと知らなかったけど,なんかなるほどなぁと思った。ちなみにスカンジナビア3人娘(さっそく改名)の1人,このヘレナって,すごくいい子でとても好き。素直だし明るいし気遣いは細やかだし。こちらの語学学校では2,3人が組になって,相談しながら何がしかの課題に取り組むというのが一般的なスタイルみたいなのだけど,そういうペアになるとき,相手がヘレナだとちょっと楽しい。
死刑なんて前時代的と言わんばかりに,クラスのみんなは「死刑は良くない。死刑制度があっても犯罪率を減らすことはできない」と口をそろえる。スウェーデンはもちろん,ドイツにもオランダにも今や死刑制度はない。そういえば,会話のクラスはぼくをのぞくとみんなヨーロッパじゃないか。「で,日本はどうなの?」と先生に聞かれて,なぜかちょっと恥ずかしい気がした。死刑の話しに入る前に,少し前にあったというシンガポールでのムチウチの刑事件について(詳細略),「もちろん,ここにいる誰の国にも,ムチウチの刑はないよね」と,みんなで笑ったばかりで,死刑制度もその延長にある気がして来たのかもしれない。野蛮だよな,確かに。社会的に殺人が認められてるのだから。20世紀という時代には,国家の本質は暴力の独占にあったのかもしれないけど,もう時代は変わりつつあるんだろうな。
日本では死刑の次に重いのは終身刑だけど,この2つに差がありすぎるのが問題で,終身刑は,たいてい減刑されて20年未満で釈放される。日本にも禁固300年なんて制度があればいいと思う。……と言うことを言いたかったけど,途中でしどろもどろしてしまう。死刑をdeath panalty(ほかにもcapital punishmentとも)というのは知ってたけど,終身刑を何というのかも知らなくて,永遠の囚人などと口走ってしまった。終身刑というのはlife sentenceというそうな。なるほど。
クローニング。日本語なら,あれこれ挑発的な意見でも言えるのになぁと思いつつ,お手上げ。相手がネイティブスピーカーで,ゆっくり話しを聞いてくれるなら丁寧に話す気にもなるけど,スカンジナビア娘がガスガスしゃべり始めたら,割り込めない。

2000/12/07(Thu)

欧米でTOEICの認知度が低いわけ

学校内でTOEICのテスト。15人の受験者は,日本人5割,韓国人4割,ブラジル人1人という感じ。ヨーロッパ系の子らは,ちっともTOEICなんか興味がないらしい。彼らにとって,TOEICは簡単すぎるのだな。うん,スカンジナビア3人娘なら,半分寝ててもリスニングは満点,試験時間の半分でリーディングセクションも終わるだろうなぁと,問題を解きながら思った。いつも彼女らが読み終わるとき,ぼくは8割ぐらいの地点にいるのが精いっぱいだけど,そんなぼくでも,TOEICのリーディングは,かなり丁寧にやってもだいぶ時間があまったのだから。「ぼくだけ読むのが遅い」「知らない単語が両手にあまるほど」というプレッシャーの中で日々リーディングをやってるからか,気分は楽勝。知らない単語は,これといってなかった気さえする(あったかもしれないけど,知らなくて困った気はまったくしない)。
問題の指示を読まずに,1つの会話で3つの質問に答えるべきところで,1つだけ答えてぼけーっとしてしまったりしたけど,リスニングセクションは,選択肢も含めて,かなりクッキリ聞き取れた。うん,点数が上がったのじゃないかしら。通算4度目のTOEIC,今度は900点は越えたかな。でも,まだまだはるかに先は長いというか,もしかしたらまだスタート地点にも立ってないのじゃないかと,スカンジナビア3人娘を見ていて思うのでした。

2000/12/08(Fri)

人生はアドベンチャー

語学学校の授業ってのは,ちっとも堅苦しいものではなくて,楽しめるとしたら楽しいもの。最近,スカンジナビア3人娘やオランダ,ドイツ系の早口の生徒に気圧されぎみで,かなり萎縮してたけど,今日の会話のクラスはちょっと楽しいものだった。
人生ゲーム。あなたは今18歳。大学に進むか,アートの専門学校に行くか,それとも父親の勧めにしたがって市庁舎で働くか。答えによって人生はどんどん枝分かれしていき,25種類のカードに書かれたストーリーと選択肢をたどって行くうちに,人生で成功するか,失敗するかが決まる。目標は36歳になるまでに100万ポンドを稼ぐこと。
で,ぼくはヘレナと一緒に人生ゲーム。2人とも「人生ボーケンだよね」とおおむね意見が一致して,明らかにゲームの目標である金稼ぎからはずれたほうへと突き進んで行く。大学は2年で落ちこぼれそうになり,卒業後は金がないもの気にせずにブラジルへ渡って職探し。稼ぎは良くないけど,タクシードライバーの職にありつく。美しい海と楽しい仲間たちに囲まれてハッピーな日々。ブラジルに身を落ち着けようかと思うものの,「もう若くないし潮どきよね」と母国へ引き返す。ロサンゼルでは友達の紹介で得た仕事を順調にこなす。ところが中南米の支局へ行かされたときにbandit(山賊!?)に誘拐されてしまって,2年もユウヘイされてしまう。金でなんとか放免してもらうものの,貯金がパー。今度の選択肢は,ロスの友達のところに戻って,ベンチャー企業を手伝うか,ひょんなことで転がり込んできたカリブ海の船乗りの仕事につくか。選択は,もちろん「カリブに行こう!」。お金持ちの船主は妙にペイが良くて,あっと言う間にお金がたまる。でも,稼ぎがいいのは実は密輸にかかわっていたからで「これはやばいよ」と,船から逃げ出す。稼ぎがいいからって,そのまま船乗りを続けるという選択肢を選んでたら,次のカードはきっと「あなたは捕まって裁判にかけられました」と来るに違いないというのが,ヘレナとぼくの当然の予想。「その気があるなら,まだ市庁舎で働くチャンスはある」という父親の言葉にしたがって,故郷でカタい仕事について順調に暮らす。昇進もして,給料もあがる。投資があたってお金もだいぶたまる。次の選択は友人の言葉を参考におもちゃ業界でベンチャー企業を立ち上げるか,友達のベンチャーを手伝うか,あるいは世界を旅して回るか。友達を手伝ったら「あなたはだまされた」とか「事業は失敗した」となるのはゲームの性質上いかにもありそうなので,「どうせなら」と自分で事業を始めるという選択をヘレナとぼくは選ぶのだった。このおもちゃ企業が泣かず飛ばずでジリ貧。選択肢は「おもちゃ企業を続ける」「世界放浪」。ヘレナは旅行好き。なので,「焦らなくても,まだ先は長いよ」と旅に出ることで合意。
結局ぼくらはたいした貯金もないままに36歳に達してしまった。36歳で世界を気ままに旅する身分でゲームが終わったのだけど,「いっぱいいい経験をしたのだ」という感触は気分がいい。手堅く生きて100万ポンドの人生を歩んだチームもあったけど,聞いてるだけでも退屈な人生。ぼくもヘレナも,自分たちこそこのゲームの勝者だと余裕の笑み。
なかなかうまくできた教材だと思う。指示に沿うようにゲームをこなした表面上の勝者は,いろんな経験をして楽しく人生を送った表面上の敗者をうらやましく思うわけで,ここであれこれ意見を言わずにいられなくなる。会話のレッスンだから「ヒトコト言わせろ」という気持ちが強いほうがいい。
単なるゲームとは言え,こういうのを読むと,休職中のぼくは,あれこれ考えてしまう。日々忙しく仕事をしていたときには視野狭窄になりがちだったけど,人生にはもっといろんな可能性があってもいいんじゃないか,とか。安定しそうになったら自分で自分を揺さぶるぐらいでないと,人生に楽しげな事件は起こりづらいのかもしれない。

クラスの後,今日は学校のみんなでディケンズの『クリスマス・キャロル』の舞台へ。セリフの半分ぐらいしかわからない……。ショック。集中してないと,すぐに何を言ってるのかわからなくなってしまう。ガッカリ。TOEICのリスニングが妙に簡単だったので進歩したのかと思ったけど,やっぱりTOEICはTOEICってことか。
クリスマスが近付くと,日本で山下達郎とジョージ・マイケルが街に流れまくるように,この時期になると,アメリカではTVや舞台で,このクリスマス・キャロルと,古典映画『ワンダフルライフ』がばんばん流れるらしい。ぼくはクリスマス・キャロルよりワンダフルライフのほうが好きだなー。

2000/12/09(Sat)

日記,スローダウンします

ふとネットで日本の銀行口座の残高を見てみたら増えてるじゃないですか。そっか,ボーナス。休職中の身とはいえ社員なので,休職前までの分はちゃんとボーナスが出るらしい。査定期間は休職の直前までだから,ほぼ満額なのかしら。ちょっぴり浮かれ気分でポータブルDVDプレーヤーが欲しくなりました。

この日記,少しスローダウンするかもしれません。いくつか理由はあるんですが,一番大きいのは,しばらく頭の中を出入りする日本語をできるだけ減してみようということ。最近,日本人の生徒とも結構知り合いになったし,日々インターネットで日本語を見てるし書いてるし,あまりにも日本語が生活に溢れてることに危機感を覚えたのです。もしかすると英語で書くかも知れません。が,英語だと頻度も量も減って,きっと内容も幼稚くさくなるでしょう。それでもいいんだけど。

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NISHIMURA Ken <nis@bigfoot.com>