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2008年03月14日

ホスピタルクラウン

ジャグリングメーリングリストの西川さん情報で知ったんですが、ホスピタルクラウンをテーマにしたテレビドラマが始まるようです。3月14日からフジテレビです。もしかして普通にテレビを見ている人なら、とっくにご存じ?

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で、ぼくが気になったのはドラマの元になった原作を書いた本物のホスピタルクラウン、大棟耕介さんです。ホスピタルクラウンって、それなりに確立されたジャンルなんだと思っていましたが、そうでもないんでしょうか。大棟さんは日本でホスピタルジャグリングというジャンルを切り開きつつある人のようですね。有限会社を立ち上げてアーティストを派遣する業務を組織化し、自分たちのことを「社会性のあるマニア集団」と位置付けています。2005年にホスピタルクラウン協会というNPO法人を立ち上げたりもしています。

ということを淡々と書いていますが、大棟さんのインタビュー記事を読んで、めっちゃ興奮しました。ガキ大将の子ども時代から始まって、練習狂いの陸上バカだった中高時代、それから大学に進学して日本のトップ選手と肩ををなべて練習したときの挫折感と、そこからのがんばり。さらに鉄道会社の退屈な仕事と、それを楽しくする工夫の話、「おまえなんか会社を辞めて、1人でやっていけばいいんだ」と上司に言われて「あ、その手があったか」と独立してしまう話、どれも興味深いです。こういうぶっちゃけトークで軸のぶれないことが言える人って好きだなぁ。ホスピタルクラウンと言うと、何となくナイーブなボランティア精神のにおいが感じられますが、大棟さんは、そういう先入観を先回りしてキャッチし、あっさり否定しています。

ホスピタルクラウンとして取材を受けることが増えているんですが、どうもマスコミは、僕を「いい人」にしたがりますね。愛とか、涙とか、そういう文脈で語られてしまう。確かに無償で病院を回っていますが、「ラブ&ピース」の精神で目を潤ませたボランティアだとは思ってほしくない。目の前の誰かを笑わせ、なごませ、気持ちを軽くする。これは、クラウンが職務として果たすべき役目。

むはっ、いきなりフジテレビの宣伝コピー「愛と涙の感動実話」を真っ向から批判するかのような発言(笑)。この落差がいいですね。本音っぽいですよね。優等生的で安っぽいお涙ちょうだい感がなくて。

病院は人間が抱える4つの苦しみのうち3つが露骨に存在する場所です。仏教は生病老死こそが人間の持つ苦しみの根源だと説きますが、病院は病老死が詰まっています。四苦八苦というときの、あの四苦のうち三苦です。そういうリアルな場の出来事を、自分たちの日常のストレスを発散させる手軽な感動ドラマに仕立てて消費しようという根性が嫌じゃないですか。やるなら、ドキュメンタリーとして淡々と伝えるほうがいいと思うんですけどね。まあ、それは好みの問題ですね。

大棟さんは生きることとか新しく何かを見つけてそれに打ち込むことが楽しくてしょうがないんでしょうね。日本ジャグリング協会誌「Shall We Juggle?」でも取材してインタビュー記事を載せるといいんじゃないでしょうか(と、ものすごく他人事のように書いてみる……)。

ともあれ、テレビドラマの影響力は半端ないですから、これでクラウニングに関心を持つ人がぐっと増えるでしょうね。クラウニングにとってジャグリングという技術は主従関係でいえば従でしょうから、ジャグリング自体にはまたしても光は当たらないのが趣味ジャグラーとしてはやや悲しい気もします。「趣味でジャグリングやってます」と言ったとき、ふつうの人が想像するのはますますクラウンになってしまうでしょうからね。

投稿者 ken : 2008年03月14日 10:00

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