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2007年05月01日

練習をほめられたら

練習中に通りすがりの人に、ほめられることってありませんか? そういうときには礼儀正しくお辞儀でもして「ありがとうございます」と言ったほうがいいと思うのです。

ぼくもそうでしたが、はじめの頃、つい謙遜して「いや、ぼくなんて全然!」とか言っちゃうんですが、こういうのは良くないなって、IJDbのコラムか何かを読んでいて気づかされました。

ほめる人には、ほめる権利があります。「権利」が言い過ぎなら、ほめる理由といってもいいかもしれません。いずれにしても、それを否定するのは、よくありません。ほめてくれた人に対して失礼です。「もっとすごい人がいくらでもいるんですよ」とか「こんなの簡単なんですよ」というのは、ある意味ジャグラーにとっては当然の反応ですが、非ジャグラーは、そんな答えを期待してほめているわけではないでしょう。

「このぐらいはたいしたことないんです」というとき、そこには「あなたは素人だからジャグリングのことを知らないんですよ」という決めつけがあります。これはとても傲慢だと思いませんか。まるでクリス・ブリスが一般大衆にウケたのを見たジャグラーの一部が「あんなのジャグリングとしては、たいしたことない」と指摘するのに似た傲慢さです。

世の中の99.9999%の人はジャグリングなんて、たまに見るだけで詳しく知ろうとも思っちゃいません。そういう人々に向かって「あなたはジャグリングが分かっていない」などというのは子どもの反応です。

少し前に、Steve Cohenというマジシャンが書いた“Win the Crowd: Unlock the Secrets of Influence, Charisma, and Showmanship”という本を読んだら似たようなことが書かれていました。ほめられたときに人々が見せる謙遜に対して、彼はもうちょっとうがった見方をしています。賛辞を素直に受け取らない謙遜というのは、実は、相手からさらなる賛辞を引き出そうとする傲慢さの現れだというんですね。

確かに言われてみれば「いや、こんなの全然!」と謙遜したときに、ぼくが内心でどういう反応を期待していたかというと「いやいや、十分すごいですよ!」とか「そんなの見たことないですよ!」といった、追加の賛辞です。ちょっとほめてもらったからといって、さらに確定的な賛辞を引き出して自分のエゴを満たしてもらおうなんていうのは、虫のいい話です。

通りすがりに練習中のジャグラーをほめる人は、どういう反応がジャグラーから返ってくるとうれしいでしょうか。ほめられて、元気づけられましたと言わんばかりに見せる笑顔ではないでしょうか。本当は調子が悪くて気分が悪いときであっても、ほめてくれた人に対して、そのぐらいお返ししたほうがいいんじゃないかと思うのでした。

本文と関係ないですが、ステファン・シングの練習風景の動画を1つ。ナンバーズも結構すごいですよ!

投稿者 ken : 2007年05月01日 22:17

コメント

謙遜して見せる陰のエゴにはもう1つ、
「(調子がよければ)僕はもっとすごいんだ」というのもあると思います。
練習中に自分で「いまいち」と思っているときとか、
人前で演じて「今日はあそこを失敗した~」と思っているときとかに褒められると、
謙遜のような言い訳のような変な受け答えをしてしまう経験がありますが、
それって本音では「自分はもっとすごい」と伝えたいんだと思うんです。
そういう時も、素直に「ありがとうございます」と言った方が良いと、僕は思います。

興味深い本の紹介をありがとうございます。さっそく、ウィッシュリストに入れました。

投稿者 西川正樹 : 2007年05月03日 00:04

西川さん、

あー、なるほど、そうですね。

もうちょっと違う状況もあるような気がします。
例えば自他共に認めるようなボロボロの
パフォーマンスをほめられたとして、そのときに
「いや、今日はもうボロボロで……」というのは、
たぶん強欲ですね。ほめたほうとしては、
そんなこと、ある程度わかってほめてやってるのに、
さらに何を言ってほしいんだってなもんです。

特にアマチュアの場合、アマチュアというのは
見れば分かりますから、そこも含めてほめている
場合というのもありそうです。そういうときに、
過度の謙遜とか言い訳は、あんまり気持ちよく
ないかもしれませんよね。

投稿者 西村 : 2007年05月03日 08:42

本文とは関係ないけど、「ステファン・シングの練習風景」には驚いた。
「人間て凄いなぁ」と感じた。

投稿者 まーず : 2007年05月04日 00:19

どこでも練習している私ですが、英語で話しかけられると
素直に Thank you! と出るのに、日本語で話しかけられると
「いや私なんかまだまだ」と言ってしまいます(^^;;)
謙遜する理由にもうひとつ、私は傘回しをしていて誉められる
と「私なんかまだまだ、プロの芸人の技はもっと素晴らしい
です。ぜひぜひ見てください」と返答してしまうことが
あります。布教活動したくなる、というのが「まだまだ」の
動機のひとつのようです。和芸は露出度低いですしねー。

このGWは一つ鞠持って行ってビーチで練習してたんですが、
技が全然できない状態でよってこられて、なんかみせてくれ
といわれるのもけっこう辛かったです。調子にのって
いろいろやってみるのですが、もちろんほとんどぼとぼと。。。

投稿者 くろせ : 2007年05月04日 08:41

人間てすごいけど、まあ、この人はそのなかでも
すごいよ>まーず

くろせさん、
布教への思いから、つい「もっとすごいのが!」と
言いたくなるというのは、すごくわかります。
まあでもなぁ、それこそ布教活動と同じで、
押しつけがましい感じもあったりして(笑)
見ている人は、別にどうでもいいと
思ってるかもしれませんよね。

投稿者 西村 : 2007年05月04日 10:56

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