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2007年02月25日
テレビで取り上げられたジャグラー
ヴォヴァ・ガルチェンコとオルガ・ガルチェンコがアメリカのテレビに出たようです。「The Oprah Winfrey Show」という超メジャーなトークショーで、ホスト役のオプラ(Oprah)という黒人女性は、アメリカ人なら誰でも知っています。日本で言えばタモリとかみのもんたみたいな存在です。このトークショーで大成功した大金持ちで、自分のブランドで出版事業もてがけています。2000年にアメリカにいたとき、彼女の番組は割とよく見ていましたが、さすがに7年経って46才が53才になると「歳とったな」という感じが……。どうでもいいですが。
ロシア人兄妹として紹介され、世界チャンピオンだということも言っています。まあ、いろいろパッシングの世界記録もってるし、そうですね。
画質が悪くてよく見えませんが、オルガが化粧しているように見えます。16才になったそうで、アメリカに来て3年半とか、そんな話をしています。間もなく公立高校を卒業予定で、オルガは電気工学関係に進みたいとか。
オプラと何の話をするのかなと思ったら、英語をどうやって覚えたのかと、そんなジャグラーにとってはどうでもいいことを……。「公立高校に入って、英語しゃべる以外に選択肢がなかったし」とヴォヴァは答えています。確かに2人ともやたらと英語が自然です。若者英語っぽい。オルガなんて、日本で言えば「てか、それしかなかったし?」ぐらいの語尾を上げてしゃべるトーンだったりします。
ヴォヴァは、まるでWJFをはじめたジェーソンじゃないかというほど、スポーツジャグリングについて語っています。サーカスとか、そういうんじゃないんだ、器械体操と同じで、身体能力の限界に挑戦する競技だと、そんな話をしています。
ジェーソン・ガーフィールドといえば、最近こんなビデオも見つけました。McEnroeという人がホストをやるトークショーです。1回目のWJFをやる前にテレビに出たようで、スポーツジャグリングについて語っています。意訳すると「アマチュア大会はあったけど、道具別でもなかったり、笑顔とか衣装も評価対象になる。意味わかんねーし、いまオレがやろとしてるのは、ジャグリングではなかったタイプのもの」というようなことを言っています。熱心に語っていて、ややホスト役が引いている感じがいいですね(笑) 3ボールを教えるところでは「気難しいやっちゃな」的な反応をしています。「これはゴルフクラブと同じようにクラブっていうんだ、バトンじゃないし、ボーリングのピンじゃないし、くるくる回るアレじゃないし」とか、こうるさいことを言ってます。
でですね、ジェーソンは、やっぱりすごいですよ、ジャグリング。これは、だいぶ昔のビデオのようですが、ひょっとして、あの3部作ビデオに収録されているやつかな? まだ髪の毛があるころのビデオで、本人も映像中のキャプションで「まだ髪がある」と書いています。それより驚くのは身体の変化のほうです。ある時期からジェーソンは筋肉がムキムキしていきましたよね。
ジェーソンは「97531できるか」について、ヴォヴァと賭けをしたそうです。ヴォヴァは「1日じゃ左右からスタートする97531は覚えられないでしょ」と言って3日間の時間をジェーソンに与えました。その10時間後には、こんなビデオを作ったそうです。別にこれだけをやっていたわけじゃなく、ジムに行ったりほかのこともやってたという本人談です。
「きみらが言ってる97531って、これのこと?」と、サラッと投げています。安定感あるなー。
笑ったのが、このビデオ。まあ、見てみてください。
97531とか、b975201ピルエットとか、スローモーションで見せています。なかなか美しい……。ですがっ! これはジェーソンお得意の皮肉です。バカにしてるんですよ、ネット上でビデオを公開するアマチュアジャグラーを。
「In slow motion, everything is art.(スローで見れば、なんだってアート)」と最後に書いていますが、やっとこさっとこ成功したようなサイトスワップを何度もスローで見せられることに、ジェーソンはウンザリしてるんでしょうね。最後に出てくる銃殺される人形とか爆発シーンの火花とかも同じように皮肉で、戦争映画なんかでありがちな、使い古された安っぽい手法じゃないかという皮肉なんでしょう。
ちょっと話が逸れますが、使い古された手法って特にプロは嫌いますよね。ぼくは出版業界にいたので、「文字に色を付けるな、イタリックにするな」と、よくアマチュアのレイアウトを見て思います。装飾機能があるからといってつい使ってしまうのは悪いことです。3D文字タイトルなどは最悪です。だいたいアマチュアがやると、なんでも装飾過剰になります。映像でも同じで、スローとか、フェード関係の効果を使いすぎると見ずらくなります。画面を左右で分割したりするのも、プロは絶対やりませんよね。ジェーソンはWJFの映像をテレビ向けに自分で編集したときにESPNのテレビプロデューサーに何度もダメ出しをされたそうです。テレビの映像作りって、いっぱいNGテクニックがあるわけです。画面を分割するのは絶対にない、と。もう1つ、最近映像のプロに話を聞いてなるほどと思ったのですが、マジックなどのパフォーマンスでは引きと寄りの2種類の映像を切替えることはあっても、それ以上の編集は絶対にしないそうです。タイムラインも厳格に守るそうです。そうしないと、マジックが、単なる映像マジックになりかねないからです。というように、出版にしろ映像にしろ、プロなら絶対にやらない禁じ手というのがたくさんあります。おおざっぱにいって、「なるべく編集しない」というのがいいことじゃないかと思います。ジェーソンのWJFのDVDとか、やりすぎだし……。
閑話休題。
5リンゴ・イーティングにしろ、2002年IJAのおどけたルーチンにしろ、クリス・ブリスへの当て付け動画にしろ、ジェーソンがやってることは全部、「そんなのカンタンなんだよ! オレはもっとすごい!」、あるいは「そんなのホントのジャグリングじゃねぇ」という当て付けパロディです。アンソニー・ガットーをおちょくったこともありました。気持ちはなんとなく分かるんですが、何もそこまでしなくてもって思います。
何と言っても残念なのが、彼のパロディはどれも面白いし、技術的にもいいんですよね。たぶんアドレナリンがたくさん出るからじゃないかと思いますが、下手なルーチンより、よっぽど労力がかかっていてエネルギーが感じられます。
で、本人はパロディで「ざまあみろ」と言ってるのに、そういう文脈が分かってない人には、案外、素でウケたりします。たとえば、このスローモーションの動画も、明らかに皮肉ってるのに、素で喜んでいるコメントがYouTubeには見られます。2002年のIJAのときには観客は素で喜んでいたし、さらに受賞シーンで彼が憮然とした表情で登場したのは「ネタ」と思っている人が多かった。ジェーソンはメダルの受賞を辞退して、「オレがこのメダルに値しないからじゃない、こんなメダルはオレには値しない」と言い切りました。それでもまだ、キャラを演じていると思ってる人達がいたのか、かすかに会場から笑い声が聞こえて来ます。それまでずっと、ジェーソンは、そういうことをやってきたから。
でも、あのルーチンは、「もうIJAの評価なんてコリゴリ」というメッセージだったんですよね。楽しげに笑えばいいのか、道化がいいのか、という当てこすり。ルーチンの途中で出てくるコップが浮遊するマジックのパロディーでは、わざと失敗しておどけてみせています。バカにしてるわけです。
投稿者 ken : 2007年02月25日 23:22
コメント
はい、オルガは化粧してるみたいですね。どうでも良いところにコメント。。
youtubeのガルチェンコページにボバとお母さんの10年(97,2007)が加わっていて、オルガそっくりでした。
これまたどうでも良いですね。。
つくづく2003年に日本に呼べたのが奇跡のようです。
投稿者 にしの : 2007年02月26日 23:01
またゲストで来てくれませんかねー。
ビザが降りないのかな?
投稿者 西村 : 2007年02月28日 01:04
2002のジェイソンのルーティンについては,
彼の大嫌いなベンジー・ヒルへのあてつけというのも大きいと思いますよ.
(ベンジーはかなり幅広くから嫌われてるっぽい.)
手品のくだりはベンジーの弟子のアダムのルーティンのパロディだし,
3クラブのルーティンは昔ベンジーが優勝(?)した時と全く同じらしいです.
当然,同時にIJA的なものへのあてつけでもあるんでしょうけどね.
ルーティンの締めくくりがリンゴだったり.
彼の皮肉は凝りすぎてて伝わりにくい気もします.
投稿者 ムラマツ : 2007年02月28日 20:48
あー、なるほど。ベンジーヒル。なんか
評判悪いですよね。
ガットーが言ってましたけど、他人のパロディーを
作る暇があったら、オリジナルを作ったらどうだって、
ほんとにそう思います。
投稿者 西村 : 2007年02月28日 23:45
”他人のパロディーを作る暇があったら、オリジナルを作ったらどうだ”
まったくそのとおりですよね。
でも結局、作れないからパロディやってるんですよ。
はっきり言って才能ないんですよ、ジェイソンは(ジェイソンの恐ろしく高いジャグリング基礎技術を認めた上であえて言う)。
投稿者 ゆーた : 2007年03月01日 00:06
まあ、ジェイソンにとってはスポーツですからね。
規定路線の延長線だけで、十分にやることは
あるし、まだまだ限界を越えて行けるという
ことなんでしょうね。
才能ないんじゃない? というのを本人に言ってみて、
「オリジナルを作る」ということのパロディを
彼がやっってみせたら、けっこうすごいですよね。
言ってみようかな(笑)
投稿者 西村 : 2007年03月01日 08:16