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2005年12月12日
ガットーフォーラムがオススメ
ガットーは自分のサイトでファン向けの掲示板を運営しています。開設当初にアカウントを取ってアクセスしたのですが、IDもパスワードも忘れたまま放ってありました。ここのところ、再びアカウントを取って古いメッセージなんかも読んでいますが、驚くようなやりとりが展開されています。ディーツが7クラブのアドバイスをガットーに聞いたり、ジェーソンがガットーと微妙な間合いでジャグリングのあれこれを論じていたり、あるいはアイヴァン・パセルがクルーズ船でジャグラーとして働いた経験の話をしていたりしています。ほか、ダン・ホルツマン、ルーク・バラージなんかもよくメッセージを書いているようで、プロパフォーマーたちが本音でジャグリングやステージについて語っているという印象です。何より、アンソニー・ガットー本人がいろいろと語りまくっています。
最初、ジェーソン・ガーフィールドを名乗る人間は偽物かと思ったのですが、どうも本物のようです。ガットーと同じ掲示板にメッセージを書いていますが、特にガットーはジェーソンのメッセージや見解に対して何か言ったり、反応したりしているように見えません。気にしていないのか、あえて無視しているのか、よく分かりません。ジェーソンも、例の執拗なまでのアンソニーに対するラブコール(ですよね?)を送ったりしていません。ようわからん2人です。
rec.jugglingも全体的にジャグリングのレベルが高いわけですが、それでも数ヶ月に1度ぐらいは5ボールカスケードの話が出てきます。でも、ガットーのほうではそんなレベルの話はほとんど出てきません。果てしなくレベルが高いです。たとえば、7ボール7アップピルエットの話なんかが出てくるわけですが、そこでガットーは答えます。「これ、ずーっとずーっとやりたいと夢見てたことだよ、はっはっは。実はね、7アップが安定しはじめたのって、5年ぐらい前のことだったりするんだよ。今はいつでも、どんなときでもできるけどね」。
sequence10のビデオに出てくる、4クラブ+1トイレのぺこぺこ(あれ何て名前?)+1ボールのルーチンは、トビー・ウォーカーの真似なのか、ルーク・バラージが「人のシグニチャートリックを盗むのは、ちょっとスポーツマン精神に反すると思う」と難癖をつけているようです。ガットーは「本気で言ってんの? トリックなんてそんなもんだよ。最初にやったらシグニチャートリックだけど、だんだん真似されていくもんだ」という意味の反論をし、それに対してルークは「でも、どっかに境界線を引くべきだ」と言ってます。うーん……。この微妙な諍いの背後に、やんちゃで時に粗野な弟分のアメリカ人をたしなめたがるイギリス人の国民性を認めるのはうがちすぎでしょうか……。
そういえば、ルークは6ボールや8ボールのウィンピーパターンがファウンテンに比べて「ちっともウィンピー(弱虫)じゃないし、視覚的にも劣らない」と孤軍奮闘していました。ルーク・バラージは、言うことはかなりハッキリ言うし、人と違うことをガンガン言いますね。意見が対立しそうになったらジョークばかり言ってごまかすタイプのヤツかと思ったんですけど、なかなかタフなヤツです。
ガットーのトリックに対するルークの反発に話を戻しますが、どうも話はそう単純ではなかったようです。「トビーがやってるヤツできる?」とガットーに聞いた14歳のジャグラー少年がいて、ガットーはそれに答えるような形で、遊び気分でやったようです。例のトイレぺこぺこは、どうもトビーが最後に繰り出す決め技としてやっているもののようです。で、ガットーは、トビー本人よりもうまかったと(投げる道具の数が多かった?)。それを見たルークが、ガットーみたいな希代の天才ジャグラーが、他人が考案し、苦労して習得し、現にステージで使っている「決め技」を、そういうふうに真似るのって、ちょっとどうなんだよと感じたのも無理ないかなって思えます。ルーク自身は自分のトリックを真似られるのは好きだと言ってます。なぜなら、自分と同じだけ時間をかけて習得しただろうとわかるからだそうです。ただ、ガットーだけは、その気になればどんなトリックも真似できちゃうから違うと。うーん。
IJAの審査委員をやってる人だったと記憶していますが、スコット・セルツァーという古参のイスラエル人ジャグラーも、「人のトリックを盗む」ことについて、「これは自明の話でもないし、自分自身結論も出ていない」と、そんなことを言ったりしています。「オリジナルと真似」の是非については、ジャグラーは多かれ少なかれ、いろいろ考えているところがあるでしょうし、意見をもっているのでしょうね。
ともあれ、そんな話や、あんな話がいっぱいのガットーフォーラム、オススメです。英語を読むのは面倒かもしれませんが、ジャグラーであれば、大いに読む価値ありです。語学学習に趣味を絡めるのは王道です。
投稿者 ken : 2005年12月12日 11:08
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コメント
トビー・ウォーカーがやっているのは,
ボールをクラブの上に乗せてバランス+4クラブファウンテン
→クラブを抜き取ってヘッドバウンス+5クラブカスケード
の部分だと思います.
EJC2004の動画の冒頭にあるやつ.
僕としては,ヘッドバウンスをやろうという人は
少なからずガットーの影響を受けているような気がするので,
(ガットーを見てアレをやってみようと思ったっていう以外の人って,最近のジャグラーにはいないのでは?)
ガットーが技を盗んだというのには賛成しかねます.
「普通の人が考えられない技」を考え出す人は凄いですが,
「普通の人が考え付くけど実現できない技」を簡単そうにこなすガットーのような人も凄いですね.
後者は”オリジナルな”技なのでしょうか.
投稿者 ムラマツ : 2005年12月12日 20:40
ムラマツさん
なるほど、トビーウォーカーはEJCでそんなことをやってたんですか。
するとやっぱりガットーのトリックは、オリジナルより激しいって
ことでしょうか。
オリジナルって、「ほかの人がやっていないことをやること」ですが、
たぶん2つの用法がありますよね。
最近ヴォヴァが5クラブのバッククロスに753を混ぜたりしています。
あれなんかは誰でも考えつきますが、今のところ実現したのは
たぶんヴォヴァぐらいですから、あれもまあ「オリジナル」。
これは「さあ、どうぞ盗んでください」というような話ですね。
盗むというか、そこに置いてある金塊に真っ先に
飛びついてゲットしたのがヴォヴァってことか。
逆に、今まで誰もやってなかったけど誰でもすぐに真似できる
ようなものは一発芸みたいなものかなって思います。そういうもので
オリジナリティを維持するには、どんどん一発芸を乱発していくしか
ないですよね。こっちはオリジナルというより「独創」と呼ぶほうが
いいかもしれません。こっちの独創に関しては、「盗む」という
比喩的表現に、それなりにリアリティが感じられますから、
ルークの言うようにどっかに境界線があるんでしょうねぇ。
トビーのは前者寄りでしょうか、どっちかいうと。別に自然に
出てくる発想っぽいです。真似られてピーピー言えるほど
アイデア自体のオリジナリティは高くないのかも。トビー本人も
別にピーともプーとも言わないかもしれませんけど。
ルークの過敏な反応は、天才に対する嫉妬かなー。
ガットーぐらい飛び抜けた人が何気なくやってしまうと、「こんなの
フェアじゃない!」と文句のひとつも言いたくなるかも。
投稿者 西村 : 2005年12月13日 18:20
そのどちらがより「original」の語感に近いのか判然としませんが
西村さんの分類でなら,僕は後者を「オリジナル」な印象を受けます.
そのへんは趣味の問題かもしれません.
ルーク・バラージは後者寄りな人(多分)なので,
技の著作権については敏感なのだろうと思います.
彼の書き込みを見ると,言い方は悪いかもしれないけど
「そういうことするのは大人気ないよ.オリジナリティを出そうと頑張ってる僕らの居場所がなくなるじゃん.」と
文句を言いたくなった前者寄りになりたいけどなれない後者寄りの凡人の心が見える気がします.
って,それこそうがちすぎですね.
投稿者 ムラマツ : 2005年12月13日 19:44
ガトーも凄いけど、これだけの興味深い情報と日記を毎日書ける
西村さんも凄いです^^
という冗談はさておき、「オリジナル」と「パクリ」の議論は
良く出てくる問題ですよね。
個人的にはガトー派の意見ですが、なるほどムラマツさんの
意見も御もっともですね。
しかし以前、セバさんが言ってはった「自分以外の人が、その技を出来た時点で
その技はオリジナルじゃなくなるんだよ」いう言葉が印象的です。
確かにセバさんの技は真似できる(真似しようと思う)技ではないですね^^;
そういう意味では、セバさんも前者に当てはまるということか・・・
結局はモラルの問題ということになるんでしょうか。
投稿者 ここあ : 2005年12月14日 01:37
ムラマツさん
ルーク・バラージも相当すごいジャグラーですが、
ガットーの前ではかすんじゃいますもんね。
やっぱり「これじゃオレら形無しだよ」という不平でしょうか。
そうそう、originalという単語を辞書で引いて思い出しましたが、
もともとは「元祖」というニュアンスが強いのでした。
オリジナル(元祖)は、ほかにコピーが存在していても、
それでもオリジナル(元祖)ですよね。
元の英単語には「初期の段階に存在している動作や活動」「それまで
存在していたものと違った、新しく興味深いもの」「初めて作られる
芸術、文書などの作品で、後にコピーが作られるもの」というような
意味があるようです(Oxford英英辞典)。
まあ、単語の意味が本来どうから、どうこうあるべきだという議論は
あまり意味がないと思いますけど。
ここあさん、
ヒマなんですよ(笑) いや書くのが苦にならないほうなんです。
むしろ書きすぎて「読む気がしない」とよく言われます。
> しかし以前、セバさんが言ってはった「自分以外の人が、その技を
> 出来た時点でその技はオリジナルじゃなくなるんだよ」いう言葉が
> 印象的です。
ああ、これはわかりやすいですね。オリジナリティーというのは
個々のトリックにつけるべき形容詞というより、人間側につける
形容詞かもしれません。
投稿者 西村 : 2005年12月15日 12:19
>> しかし以前、セバさんが言ってはった「自分以外の人が、その技を
>> 出来た時点でその技はオリジナルじゃなくなるんだよ」いう言葉が
>> 印象的です。
>ああ、これはわかりやすいですね。オリジナリティーというのは
>個々のトリックにつけるべき形容詞というより、人間側につける
>形容詞かもしれません。
人間の構造が同じなら、コロンブスの卵よろしく人のやったことを真似出来ないわけが無いです。というわけで、まねできるなら「オリジナル」とは言えないと言ってしまうと世に「オリジナル」な技は無くなっちゃいますね。発見するばかりで…。
うち(ぱさーじゅ)は新しい何かを発見していくのが好きな団体なのでした…。Imaginaryなど。
ともかく、オリジナリティーは「人」の属性に賛成。それを尊重する方法はいろいろあると思います。
投稿者 にしの : 2005年12月15日 21:04
失礼。
セバさんの話は特異な例でした。
あの方の技は「到底真似でき出来ないな」と・・・
そういう意味では
「人」の属性と考えると分かりやすいですね。
個人的には、自分のオリジナルを誰かが真似て(もしくは昇華して)くれるのは
むしろ嬉しいことだと思っていますが。
ただし、プロの場合は真似されてどうこう言う前に自分を磨く
努力をすべきじゃないかとも思いますね・・・
>Imaginary
おぉ。ぱさーじゅの方だったんですね。
心和むパフォーマンスで楽しませてもらいました^^
確かに、あの雰囲気はあのお二人にしか出せないものでしょうね。
投稿者 ここあ : 2005年12月15日 23:52
えー、私の発言の真意は
私以外の人がその技を出来るようになったら、その技はその人に任せて、
私自身はさらにその先を・・・
だったりします。
他の人が出来る技を、わざわざ私がやって見せる意味も時間もないかなと。
基本的に、一度成功した技は動画にしてしまえばもうあまり興味はなくなって、
あまり練習もしなくなります。再び練習するときは、その技の発展形を思いついた場合
ぐらいです。
既存の技も、その発展系を思いついてから練習することが多いので、できる技は結構偏ってます。
まあ、こんなことを言っていられるのは、私のジャグリングが「趣味」だからなのですが。
オリジナリティーについては、かつてこんなことを語ったことがあります。
「あるパフォーマーのまねをするのは、その人のパフォーマンスがすごい、かっこいい
とあこがれたからだろう。
だからこそ、いざその憧れの人に出会ったときに、これが私のルーティンです、と
堂々と披露できないような代物をパフォーマンスに使うべきではない。」
投稿者 セバスちゃん : 2005年12月16日 00:05
おお、みなさんやっぱりこのへんは一家言おありですね。
うーん、スタンスや好みはいろいろですねぇ。
投稿者 西村 : 2005年12月16日 14:10