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2005年08月24日
激痛再び
ここしばらくマシになっていた肩の痛みが、昨夜、急にひどくなった。動かすのが痛いとかじゃなくて、座っていても、立っていても、横になっても痛い。重力に引っ張られる腕の重みが恨めしい。ずきんずきんと拍動に合わせて痛むし、少し加重がかかるだけで激痛が走る。終電間際で家に帰り着くころには、息が荒くなり、吐き気がするほど痛くなっていた。久しぶりに生きているのがイヤになった。市販の痛み止めを飲んで就寝。
故障したなという自覚のある日から3週間以上も経過していて、それなりに症状は改善していたように思ったのに、これはいったい何だ……。そもそも「バキッ」とやって、「やっちゃった」ではなく、かすかな自覚症状として予兆があって、その翌日に激痛がくるという亜急性とも言うべき発症の仕方が不思議。それを時間感覚をあけて2度、繰り返しているところがよくわからない。
仕事がたまっていたけど、朝、早起きして近所の大きめの病院、三田国際通りの東京済生会病院へ行ってみた。
受付から会計まで、いやにIT化されたシステムで効率よく患者をさばくのに驚いた。診察カードとデビットカードを入れると領収書と処方薬受け取り番号がぴろーんと出てくる。何をやるにも待ち時間が短い。もはや本を読む気も起きず、息をしているのもイヤになるほど痛みがひどかったので、待たされないだけで、何ともありがたい。
整形外科の先生は「ジャグリング」という単語に、やっぱり「大道芸の?」と反応してたけど、あまりよくわかってなかったらしい。簡単な問診、打診のあと、腕の可動性テストをした。何かフローチャートのようなものに従って部位を特定しようとしているのか、肩関節の動きを何通りにもテストするのだけど、ほとんど全部でロクに動かない。皮肉なことに、痛めた原因であるはずのバッククロススロー(腕を背中に回わした位置で頭に向かって投げあげる)の動きだけが、痛くならずにできる。
問診のあと、すぐにレントゲン撮影へ。現像写真を受け取ると、肩のあたりに素人目にもハッキリとわかる白っぽいナニカが写ってた。何となくイヤな感じ。写真をもって先生のところへ戻ると、診断は「石灰質沈着性腱板炎」。肩に白っぽい液状の粉が貯まり、それが原因で炎症を起こすというものらしい。石灰質と総称しているものの、実際にはリン酸カルシウムだったりピロリン酸カルシウムの結晶だったりといろいろだとか。石灰質沈着性腱板炎は、かつて五十肩の一種と考えられていたけれども、いまは別個に捉えられて治療されてるんだいう。
石灰沈着性腱板炎(石灰性腱炎ともいいます)は、腱板に沈着したリン酸カルシウム結晶によって肩峰下滑液包の炎症が生じる、結晶性滑膜炎の一つです。結晶性滑膜炎の代表は痛風ですが、石灰沈着性腱板炎も痛風に匹敵する強い疼痛と運動制限をきたします。典型的には、急激に発症し、1~2週間ほどで次第に痛みと運動制限が軽減します。沈着した石灰はいわば炎症の燃料のようなものですから、これを早く除去することは患者の痛みを早く消退させる意味があります。(獨協医科大学整形外科助教授・玉井和哉、エーザイのサイトより引用)
レントゲン写真に写った白い部分は短冊状に肩の中央を上から下にわたって幅1、2センチ、長さ4センチほどで広がっていた。ネット上で検索した結果、ぼくのレントゲン写真ほどくっきり広い領域にわたって石灰質がみえる症例は見あたらない。のに、写真を撮るのを忘れてしまった……。こんど行ったら忘れずに撮ろう。
痛みの自覚症状とレントゲン撮影の結果、それにウェブで検索しまくった記述を比較すると、石灰質沈着性腱板炎という診断に間違いはなさそうに思える。でも、腱板断裂という可能性はないんだろうかというのがちょっと心配。ネットにある症例に比べて、ぼくのケースでは異様に腕が動かなさすぎる。腱板は造影剤撮影するか、MRIで見ないとわからないらしい。
「そもそも何で石灰質が出てくるんですか? 何かを保護しようとでもしてるんでしょうか」と質問したら、先生は、やや間をおいて苦笑いした。「さあ、なんででしょうね」。医療って症状の特定と治療法、その経緯なんかを収集するのがもっとも大切だから、案外こういう自然治癒してしまうようなものって、そのメカニズムが解明されてなかったりするんだなぁ。石灰質沈着は痛風で尿酸結晶ができるのと同じで、体質や加齢と関係しているらしいことぐらいはわかっていても、何でかという原因はわかってないんだとか。運動で急に起こるってのも、よくわかんない話だ。だいたい、結晶自体は物質的に無害でフィジカルな損傷もないというのに、なんで痛く感じられなければならんのだ? 痛風には尿酸値の異常を知らせるメリットがあるけど、運動で起こる石灰沈着は? ジャグリングの神の逆鱗に触れた?
なぜ石灰が溜まるのかとなると、まだ判然とはしていません。ただ、肩関節の動きにまで影響するほどの手先の仕事が多い主婦や学校の先生などによく起こり、肉体労働者にはあまり見られない点で、どうやら、肩を外転して手先を使うことの繰り返しが、肩の腱(腱板)の弱いところに無理を生じさせ、そこに変性を来し、石灰沈着するものと考えられています。(渡辺 甫氏、白山ののいち医師会のサイトから引用)
という記述がある。「肩を外転して手先を使うことの繰り返し」ってジャグリングそのものじゃないのかしら……。
炎症を止めるために注射を打ってもらった。肩に注射針をずぶっと刺す。注射針をみつめていても平気なほうだけど、丸い肩に垂直につきたてられた針がグリグリ動くという視覚的イメージが、実際の痛みをいくらか増しているような気がした。針は痛くないけど、肩のなかの何かが痛い。「石灰質を抜いてみましょうね」と先生。「これでチュルチュルっと抜ける人もいるんですよ、、、うーん、あれ、出てこないなぁ」とグリグリ、チュルチュル。指で触れただけで痛いというのに、そんなグリグリと……、あーーれぇーーー。めっちゃ痛い。冷や汗いっぱいで涙がちょちょぎれる。後でネットで調べたところ、液状の石灰物質を注射針で抜き取るのは治療法として一般的らしいけど「局所麻酔してから」って書いてあるやんか。まあ麻酔なんてしないで済むならしないほうがいいんだろうけど、、、生涯で経験した痛みトップ10に入るかも。いや、局所的だし時間も短いし、たいしたことないか……。
電車に乗っている間、あまりに痛いので、まったく仕事なんてできる気がしなかったけど、1時間後には痛みが鎮静。動かさない限りは痛くないという状態にまでは改善し、何事もなかったかのように1日は過ごせた。
石灰質沈着性腱板炎で見つけた良さげな解説のリンクは以下のとおり。ジャグラーをはじめ、肩を酷使するスポーツの方々はご参考にどうぞ。
- http://www.tahara-seikei.com/725.htm
- http://www.imcc-med.com/kataitami3.htm
- http://www.okinawa.med.or.jp/old/ippan/kenkou/000415.htm
- http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec05/ch074/ch074e.html
- http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec05/ch074/ch074e.html
投稿者 ken : 2005年08月24日 23:38
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コメント
読んでいて痛くなりました…
原因が分かってとりあえず良かったです。
お大事に。
投稿者 にしの : 2005年08月25日 19:40
「痛い」感じで書きましたから、ははは。
原因が特定されると安心できますね。しかし、動かしたほうが
いいのか、動かさないほうがいいのかとか、そんな基本的な
対処方針さえわからないんですよね。はぁ。
投稿者 西村 : 2005年08月26日 12:10