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2006年11月26日
トリックスター
![]() | トリックスター 「村上ファンド」4444億円の闇 『週刊東洋経済』村上ファンド特別取材班 東洋経済新報社 |
早い時期から村上ファンドを追い続けた週刊東洋経済の記者たちが一連の騒動をまとめた本。素晴らしい取材力と構成力。村上氏の子ども時代や学生時代についても、よく調べている。学生時代の村上氏の言動から、彼が生来の山師だったことがよく分かる。
昭栄や東京スタイルといった村上世彰のデビュー戦はもちろん、世間の耳目を集めたニッポン放送や阪神電鉄の株大量取得まで含め、村上マジックの本質はどれも同じだという。
- PBR1倍割れや不動産・キャッシュなどを多く持つ資産リッチ企業の株を取得
- マスコミを利用し資産価値が株価に反映していない割安銘柄だと騒ぎ立てる
- 株価上昇後に一気に売り抜ける
「もの言う投資家」というのは、単に騒いで金儲けするだけの目立ちたがりやでしかなかったということ。無為無策で放漫経営を続ける企業の株を買い占め、資産を有効活用させるために提言するということ自体は、社会にとっておおいにプラスだし、そのことで財をなすのは正しいことだと思う。この意味で村上世彰は正論しか言っていない。
でも実際に村上容疑者がやっていることを見れば、この正論は、それこそ金儲けのための方便でしかなかったことがよく分かる。株式売買や会見での発言といった客観的データで追って行く著者たちの立論に触れてみれば、村上ファンドの違法性はグレーゾーンなんてもんじゃなく、真っ黒に思えて来る。
米国のように包括規定を適用するかどうかという問題は、村上ファンドの違法性がどうこうとか、そういうレベルの話ではなくて、もっとずっと大きな社会・経済のシステム設計にかかわる話で、そういう意味で、これは日本の証券市場のターニングポイントになるような事件なんだろうなぁ。
投稿者 ken : 2006年11月26日 11:47
