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2006年03月21日

国立科学博物館

上野の国立科学博物館へ。特別展でやっていたナスカ展は、1400円とやけに高いし、イマイチ見る気にならず、常設展だけ見てみることに。常設展は概して子ども向け。科学雑誌ニュートンの立体版といったところ。最新の知見を紹介するというより、理科の教科書的な話ばかりなので、ちょっと期待はずれ。考えてみたら、仕事でナノテク展などといったものを取材しているぼくは、ふだんから最新技術の博物館巡りをさせてもらっているようなものだ。

1つだけ感動したのが宇宙線観測のための霧箱の展示。

宇宙線が突き抜けるときに、その軌跡がスーッと白い糸のように現れて、すぐに文字通り“霧消”する。アルコールを蒸発させて帯電した微小粒子を箱の中に浮遊させておき、そこに電極をかけるかなんかして霧が上から下に流れるようにしておいただけの装置。そこを宇宙から降り注ぐ荷電粒子が通過すると、その軌跡に沿って粒子が引き寄せられて白い糸がふわっと現われる。地下2階でも建物や人体を貫通して、実際に宇宙線が降り注いでいるんだなってことが目の前で見て分かる。こんなに簡単に見えるものだとは思わなかった。

最上階での展示も、ちょっと良かった。前々から読んでみたいと思っていた江戸時代の百科事典、『和漢三才図会』の実物とか、杉田玄白の『解体新書』の展示が興味深い。ちょっとぐらいページを繰ってみたかった……。電子を使わない、歯車と稼働部品の組み合わせによる機械式“計算機”関係の展示もおもしろい。9元連立方程式を解くことができたという1944年製の機械は、出来損ないのパイプオルガンのようにも見えた。詳しい解説がなかったので仕組みはサッパリ分からなかったけど、1本1本の筒がアルゴリズムそのものを体現しているんだということは分かる。そのむき出しのアルゴリズムに、近代的なブラックボックスのコンピュータよりも、かえって人間の知恵そのものを感じる。潮の満ち引きの水位予報のために気象庁が1930年から1960年まで使っていたという“ケルビン式潮候推算機”は、複数の滑車を組み合わせてサイン関数の合成をやってのける。よく分からないけど、なんかすごいアイデアだ。

ueno001.jpg 人力で1アンペアの電流を発生中。
ueno002.jpg 宇宙線の軌跡を観測できる霧箱。秒間10~20本程度、白い糸がスーッと現われては消える。
ueno006.jpg 化石の多くはレプリカ。まあ、そんなもんなのか。
ueno007.jpg インテリアによさげな植物の化石。動物が陸上にあがってからは裸子植物は被子植物に負け始めるという話だっけ。
ueno012.jpg おお、イデオロギー性が感じられる展示。博物館って教育機関だし、洗脳機関でもあるわけだ。
ueno014.jpg 江戸時代の万年暦時計。そういえば、“一刻(いっとき)”というのは昼夜をそれぞれ6等分した時間のこと。ということは、夏と冬では一刻の長さが違うのか。知らなかった。
ueno016.jpg 江戸時代の百科事典『和漢三才図絵』。これ、いま電子書籍版で販売されていて、いつも購入ボタンをクリックしそうなところまで行くんだけど……。
ueno020.jpg 零戦の模型。かなり精巧に出来ている。外国人2人が、すごくマニアックな議論を戦わせていた……。そばに、後の東大工学部となる、日本初の工学系の教育機関の紹介があった。日本が近代化、工業化を進めた時代のエリートたちの、ノート、論文、設計図などを多数展示。
ueno022.jpg 9元連立方程式を解くことができたという1944年製の計算機。アルゴリズムの概説ぐらいは展示してほしい。
ueno023.jpg 潮の満ち引きの水位を予測するための、計算機。気象庁では1960年まで現役として使っていたというから驚き。滑車が滑らかに上下する様子を見てみたかった。
ueno024.jpg むかしの人が考える「コンピュータ」って、こんな感じだ。バビル2世が使っていたのは、これの親玉。えーと、これは何だっけ……。
ueno028.jpg 不忍池の向こう側に見えている、このヘンチクリンな建物は何?

投稿者 ken : 2006年03月21日 23:45

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コメント

池之端のアレはわりと古くて、有名な(イヤでも目を引く)たてものです。
最近の記事がありました。
http://www.excite.co.jp/News/bit/00091108711389.html

投稿者 にしの : 2006年03月23日 11:30

おーっ、ホテル!
内装はけっこう普通なんですね。
しかし、田舎臭い建物だ……。

投稿者 西村 : 2006年03月23日 13:39

建物の凝りすぎはたしかに。

9元連立マシンおもしろいですね。写真からするとパイプグループが10個あって9個の係数と1つの定数と合致してますね。角度が変数の値で、紐のひっぱりかなにかで係数を表して、あとは掃き出し法を9回やって全体の歪みが取れたら答え(変数の値を矛盾無いように一つずつ決定していく)、という仕組みではないかと。博物館の展示でアルゴリズムを説明するのはきっと至難の技なんでしょう。未来館あたりだと、さらに小さな規模の原理説明モデルを作って置いておいてくれそうです。
(それにしても9連立だとプログラムでも精度良く求めるのはわりと大変ですね)

プーリーで三角関数を計算するなんて、とってもエレガント!。というかマンマで好きです。
科学博物館の常設展は小学生以来行ってないに等しいので機会があったら見に行きたくなりました。

投稿者 にしの : 2006年03月24日 00:44