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2006年02月23日

ナノテク

ナノテク展で2日連続で東京ビックサイトへ。技術系の記者といっても、コンピュータやネットワークばかり見ているので、加工技術や材料工学っぽい話は疎い。工業新聞系にもほとんど目を通していない。最近はCPUの内部処理とか無線通信の物理レイヤーの話といった低レベルのことよりも、アプリケーションやサービスのレイヤーが断然おもしろいので、物理的な世界はちょっとご無沙汰。

そんなこともあって、ナノテク展は、ものすごく新鮮な刺激に満ちていた。どのブースで説明を聞いても、オドロキと感動の連続。人間の知恵と技術の進歩って、本当にスゴイなと思った。物理学科出身の血が、ちょっと騒ぐ。

いちばん驚いたのは、カーボンナノチューブの先端にダイヤモンドを結晶させるという話。カーボンナノチューブは筒の内部に電子を通すと、カッパーなんか比較にならないほど伝導率の高い導線となる。金属中の自由電子が飛び回るのと違って、炭素原子に周囲から閉じこめられるようにして、筒のなかの中空部分をドドドッと電子が文字通り流れるというイメージらしい。立体的な多層回路をもつLSIでの、層間をつなぐ部分や、マルチコアCPUのコア間通信の部分に応用すれば、一気に消費電力や発熱量を下げられるという。ただ、カーボンナノチューブをシリコン基板に定着したり、あるいは発光ダイオードに使おうとすると、いろいろまだ困難があって研究中だという話。発光ダイオードとして使うと、耐久性が問題になる。それが、先端にダイヤモンドを結晶させることで回避できるようになりつつあるという。メタンガスを吹き付けてなんちゃらかんちゃらすると、チューブの端に、確かにダイヤモンド様の炭素の多結晶が析出するらしい。

基板上にカーボンナノチューブを、貝割れ大根のように成長させる技術というのもすごい。金属を成形するより、はるかに微細な構造を作れる。携帯の基地局で発生する高い周波数の電波を扱うとき、その発熱を逃がすのに、そうして作られたカーボンナノチューブによるナノレベルの冷却フィンが使われているらしい。

さらに驚いたのが、DNAを計算回路に使う話。いわゆるDNAコンピュータは、人工的に合成したDNAを試験管のなかで混ぜて、その反応そのものを計算に使おうという発想だと思っていたけど、そういう話じゃない。でも、大阪大学の川野研究室がやっているのは、基板上にDNAを結晶させて、そこで自己組織化したDNAのネットワークを、計算回路そのものにしてしまおうという、ウルトラフューチャリスティックな研究。DNA上の塩基をうまく揃えたり接続することで、基本論理素子が構成できるとか。いまのところ、「基板上にDNAの網の目ができた」という段階で、まだどうやってパターンを作るかというところまで話は進んでいないというけれども、アイデア自体は、本当に21世紀的だ。

それにしても50行程度では、何も書くことができない。

投稿者 ken : 2006年02月23日 23:28

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